
世界的なセキュリティ対策ソフトウェアメーカーのトレンドマイクロが2016年における脅威の中でとりわけ、昨年から日本でも猛威を振るった身代金要求型ウィルス「ランサムウェア」の動向を発表しました。
昨年は世界的に見て、ランサムウェアファミリーが急激に増え、その比率は2015年比で750%にも上ったとのことです。
※確認されたランサムウェアの新ファミリー数推移(トレンドマイクロ調べ
日本ではそれまでスパムメールの日本語化の難しさが自然な防波堤を作っていましたが最近は巧妙でかつ自然な日本語のメールが散見されるようになってきており、それが日本でランサムウェアを蔓延させた原因と考えられます。しかしアウトブレイク(感染した人々)の9割以上はいまだに英文となっており、今後、さらに和訳されてくればさらなる感染の余地は疑いようがない状況と見ていいでしょう。
ランサムウエア以外では企業の業務メールを傍受し途中で盗み見る被害も増えています。傍受した攻撃者が実際の取引先や関係者になりすまし、不正送金をうながしたりする「ビジネスメール詐欺(BEC)」が急激に増えています。どちらも基本的には金銭を目的にしており、BECはランサムウェアに比べると被害金額が大きいので今後、注意が必要になります。
ランサムウエアは感染すると大抵は甚大な被害をもたらします。しかしよく考えれば日頃からバックアップを取る習慣を持ってパソコンで業務している方はどれくらいいるのでしょうか。弊社にランサムウェアに感染した方からご連絡をいただくと意外とバックアップを取られていなく驚きます。ちなみにランサムウェアはたとえ外付けHDDにバックアップを取っていてもネットワークでつながっている限り、そちらも同時に被害に遭ってしまいます。そもそもパソコンは機械なので、ウィルスに感染しなくてもいづれは壊れることもあり得ます。バックアップも大量の容量になるとそのすべてをコピーしなおすのは大変ですが、前回取ったコピーとの差分だけをバックアップしてくれるソリューションもあります。これらを活用してまさかに備えることが基本です。
詳細;トレンドマイクロ