日本年金機構 情報漏えい事件について(情報漏えい)

日本年金機構の情報漏えい事件についてのまとめです。
この事件は昨年2015年5月に起こりました。

【事件のあらまし】
本庁職員になりすました標的型メールにてウィルスを仕込まれたメールが全部で124通、職員宛に送られました。ウィルスは添付ファイルの形と、リンク先に仕込まれているものがありました。送られてきた職員の中には自身の設定によりさらに10人に転送されるようになっており被害が広がりました。うち5人がファイルを開封しそれぞれ端末がウィルスに感染していました。

【確認された被害内容】
調査の結果、125万件の個人情報が流出しました。内容は「基礎年金番号、氏名、生年月日、住所」でした。

【対応】
外部依頼調査会社にてプロキシサーバーのログの解析、メールの送受信のログの解析からフォレンジックを行う、調査対象端末を特定。そして、削除されたファイルの復元、ハードディスクに残された痕跡の解析、送り込まれた不正プログラムの内容、攻撃者の調査、情報流出の可能性のあるファイルの収集解析を行いました。最終的には一時的に問題の端末そして機構のネットワークからの抜染をしウィルスの除去作業を行いました。

【今後の対応】
今後は機関システムや個人情報を扱う端末については完全に外部からの接続を遮断する方針とのことです。

この事件では事前に様々な対策を行っていたにもかかわらず、情報を扱う部署個々でのパスワードの設定の不備、インシデントが発生した時の具体的な対応手順の不備、リスクアセスメントの不備、ガバナンス及び組織対応の不備、などが指摘され今後はそれらを徹底して構築していくとのことです。扱っていた情報の内容の重さから大きなニュースになりましたが驚異のレベルは組織の大きさ、情報の内容には関係ありません。日頃から情報セキュリティへの関心を高めしっかりと対応していくことが大切です。

詳細;不正アクセスによる情報流出事案に関する調査結果報告 - 日本年金機構
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